(1)融資と投資における証券アナリストの影響力
融資は銀行融資が一般的ですが、銀行員が企業の決算書や社長や経理担当者から会社の業況を聞くことで融資の実行や継続を判断します。銀行員は取引先への融資判断を行うため、企業内部の情報に接する立場であると言えます。スポンサードリンク
(2)三菱UFJモルガンスタンレー証券の反応とコメント
楽天、荒木正人シニアアナリスト三菱UFJ証券批判のポイントについて、2013年7月3日のJ-CASTニュースが、楽天、三菱UFJMS証券のアナリストを名指し批判 「分析が貧弱」とプレスリリースに書くを報じているので見てみましょう。楽天は2013年7月2日にそのことをプレスリリースで発表。これには三菱UFJMS証券も、「発行体が特定のアナリストのレポートについてプレスリリースまで出したことに驚いています」とコメントしている。楽天は、荒木正人シニアアナリストがだしたレポートに対して、プレスリリースで反論していますが、三菱UFJモルガンスタンレー証券の反応を見ると、事前に知らなかった可能性がありますね。
楽天がプレスリリースをだした理由と、荒木正人シニアアナリストの分析に問題点があると指摘した理由について見てみましょう。
(3)楽天が荒木正人シニアアナリストの計算根拠の誤りなどを指摘
楽天が荒木正人シニアアナリストを批判した理由について、楽天 三菱UFJ証券アナリストに反論の理由についてまとめましたので、簡単に見てみましょう。- 当期利益予想=税引き前当期純利益予想-予想法人税(法人税予想実効税率)
- 予想EPS(予想一株当たり利益)=予想当期利益÷期末の発行済み株式数
- 法人税予想実行税率の低下で、予想EPSが上昇
荒木正人シニアアナリストは法人税実効税率を57%として計算していたようですね。日本の法人税実効税率は35%前後と言われていますが、昨年度の特殊要因で57%に高くなった法人税実効税率を、そのまま適用していたようですね。
楽天は、三菱UFJモルガンスタンレー証券の荒木正人シニアアナリストが、楽天の事業ごとのコスト分析や株主価値の算出方法について批判を行っています。
(4)楽天財務担当者が荒木正人氏の会計知識の理解に言及
ふだん荒木氏と面会してきた楽天の財務担当者は、「別に怒っているわけではありませんし、会社の意に反するから会わないというわけでもありません。ポイントは、当社の事業分析について深くないことです。事業が多様化し、さまざまに変化していく中で(荒木氏の)理解が追いついてこなかったと思っています。以前から会計知識が高くないと思われましたし、勉強してほしいと伝えてきました。アナリスト自身の問題です」と説明する。楽天の財務担当者は、荒木正人シニアアナリストの会計知識の理解に言及しており、会計知識を勉強してほしいと伝えていたようですね。証券アナリスト資格は、公認会計士や税理士ほど会計知識が求められるものではないですが、楽天から荒木正人シニアアナリストに対して厳しい批判ですね。
(5)楽天は三菱UFJモルガンスタンレー証券に担当替えを要求
財務担当者は「アナリストとして荒木氏とお会いするつもりはありません。ただ、(三菱UFJMS証券の)アナリストと会わないわけではありません」とし、担当替えを求めているようだ。
トムソン・ロイターが発表している日本株アナリストランキングのソフトウェア・ITサービス部門では、2011年に1位になっている。楽天は、荒木正人シニアアナリストの担当替えを要求しており、三菱UFJモルガンスタンレー証券のアナリストを全面的に出禁にしたわけではないようですね。三菱UFJモルガンスタンレー証券は、現在、荒木正人シニアアナリストが楽天の調査継続を行うようですね。
楽天の主張について、楽天 三菱UFJ証券アナリストに反論の理由を見ると、荒木正人シニアアナリストの計算根拠に疑問が多いことが分かります。
荒木正人シニアアナリストは、インターネット事業や海外事業の開示されていない数字が多く、 仕方がない結果と述べているようですので気になりますが、法人税実効税率の計算は間違いでしょうね。
(6)楽天の証券アナリスト批判の問題点
- 証券アナリスト 証券取引等監視委員会から偏った情報提供を行わないよう指導
- 企業側 特定のアナリストにしか面談しないなどは禁止
- 楽天の情報開示が不十分だという指摘もある
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