(1)石油業界の仕組み
- 上流は石油採掘 国営石油会社やオイルメジャー
- 中流は石油精製 JXや出光などの石油卸と石油化学会社
- 下流は石油製品販売 ガソリンスタンドやプラスチック関連など
石油業界は、上流にいくほど資金力や政治力が必要になるため、石油採掘は国営石油会社やオイルメジャーが行っています。エクソンモービルやシェブロンテキサコは、ロックフェラー財閥のスタンダードオイル系列ですが、現代は国営石油会社の方が巨大化しました。
日本企業は、石油業界の中流や下流がメインの事業になっており、上流進出は歴史的な経緯から遅れています。石油産業は、ガソリンが自動車に使われているだけでなく、トラックや発電所など幅広く現代文明で活用されていますね。
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(2)ガソリンスタンドの企業規模
- 石油元売 売上高10兆円から数兆円 JXや出光
- 大手ガソリンスタンド 売上高が1000億円超の地域の盟主
- 小規模ガソリンスタンド 売上高が数百億円規模の会社が多い
石油元売は、直営のガソリンスタンドを拡大していますが、地元企業がガソリンスタンドを経営するケースがよくありました。地場の大手ガソリンスタンド会社は、売上高が1000億円を超える規模になるため、地域の盟主として君臨してきました。
小規模のガソリンスタンドでも、売上高が数百億円規模の会社が多いため、売上高を見れば企業規模は大きく見えます。ガソリンスタンドは、石油元売の再編が話題になっていますが、需要減少や業界の変化により廃業が続いていますね。
(3)ガソリンスタンドの競争激化
- ガソリン税と消費税増税
- 人口減少社会が続いている
- 日本車の燃費が大幅に向上
- 若者が車によるドライブを特別視していない
自動車は、各種税金が高い過ぎることを批判されており、生活コストの無駄として指摘されることもあります。日本政府は、石油の消費量を削減するために、エコカー補助金や税金を優遇する政策を採用しました。
日本車の燃費は、世界最高水準のレベルに向上しているだけでなく、ドライブが特別な余暇として見なされにくくなりました。ガソリンスタンドは、ガソリン需要が確実に減少していく中で、
(4)ガソリンスタンドの投資コストが上昇
- 土地浄化後に売却
- 地中タンクに投資する
- セルフスタンドに転換する
ガソリンスタンドは、経営を継続することも難しいですが、撤退するためにもコストが必要なため廃墟のまま放置しているところもあります。ガソリンスタンドは、土地が汚染されている可能性が高いため、土壌を浄化しなければ土壌汚染により土地の価値がありません。
銀行融資は、土地の担保評価をするときに土壌汚染が項目にあるため、ガソリンスタンド跡地はまともな不動産担保として見なされにくいでしょう。消防法は、ガソリンスタンドの地下タンク改修を義務付けたため、地中タンクの投資やセルフスタンドへの投資に耐え切れなくなり激減する背景になっていますね。
(5)ガソリンスタンドの多角化
- 飲食店を経営
- 自動車整備会社を経営
- コンビニを隣接地に開業
- ガソリンスタンド閉鎖のコストが高い
- ガソリン販売による現金収入を生かす
飲食店の融資は、設備資金と運転資金にわかれていますが、軌道に乗れば現金収入があるため運転資金が少なくてもやっていけます。ガソリンスタンドは、地域の交通量を把握しやすいため、飲食店の初期費用を日銭から投資して多角化を行いやすかったということでしょう。
ガソリンスタンドを廃業したとしても、土地の浄化費用による負担が大きいため、敷地内や隣接地でコンビニ営業を行う会社もあります。給油の際に、タイヤ圧をチェックすることによりタイヤ交換の収入を得たり、車検を引き受けてガソリン価格を割引する会社もありますね。
ガソリンスタンドの融資は、日銭を稼げるためキャッシュフローを見込めるものの、土壌汚染による土地値下がりのリスクがあるでしょう。石油業界、衰退産業の代表として見られていますが、多角化に成功して億万長者になっている中小企業一族がいるものよくある話ですね。 スポンサードリンク
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